訪問診療で行える治療行為の専門用語についての解説
尿カテーテル
「尿カテーテル」とは尿道と言われる膀胱からの管に挿入して、膀胱にたまった尿を排出させるためのチューブのことです。挿入したチューブを小さな風船によって膀胱に固定できる構造のチューブを一般的に「フォーリーカテーテル」と呼んでいます。また、尿カテーテルにより排出された尿をためる専用のバッグを「採尿バッグ」と呼びます。
膀胱瘻(ぼうこうろう)
腎臓で作られた尿が膀胱にたまると、尿意を感じるようになり、その後たまった尿の全てが尿土うから排泄されます。しかし、神経の疾患などで暴行の収縮力が弱くなったり、前立腺肥大症や前立腺がんなどで尿道が圧迫・閉塞された場合には、膀胱にたまった尿をうまく排泄できなくなり、ひどくなると尿閉状態(膀胱にたまった尿を全く出せない状態)となります。尿閉状態が続くと、最終的に腎後性腎不全となってしまいます。
尿閉状態になると、膀胱にたまった尿を体外へ排泄させる必要がありますが、そのための方法として膀胱瘻があります。
下腹部の皮膚から腹壁を通って直接膀胱へ道を作り、バルーンカテーテルという管を留置します。
IVH(在宅中心静脈栄養)
食事が口から取れない患者さんや体力低下を防ぐ必要のある患者さんの為に有効な治療法です。高カロリーの栄養輸液を体内の中心に近い太い静脈から継続的に入れる方法です。通常の細い血管の点滴と違い、太い静脈からのため血管を刺激しないで苦痛なく必要な栄養分がとれます。
胃瘻PEG
PEG(ペグ)は、内視鏡を使って「おなかに小さな口」を作る手術のことです。(PEG=Percutaneous Endoscopic Gastrostomy:経費内視鏡的胃瘻造設術)
作られたおなかの口を「胃瘻(胃ろう)」と言い、取り付けられた器具を「胃ろうカテーテル」と言います。口から食事のとれない方や、食べてもむせ込んで肺炎などを起こしやすい方に、直接胃に栄養を入れる栄養投与の方法です。
胃瘻は、鼻からのチューブなどに比べ、患者さんの苦痛や介護者の負担が少なく、喉などにチューブがないため、お口から食べるリハビリや言語訓練が行いやすいというメリットがあります。
経鼻栄養カテーテル
経鼻栄養カテーテルとは、鼻腔から通し、胃または十二指腸まで挿入し、水分や栄養、薬などを投与するためのチューブです。これらは経鼻栄養補給とは、消化管を利用して栄養を摂取する「経腸栄養法」の1つです(経腸栄養法)。