佐賀市木原の矢ヶ部医院│医療法人純伸会

血圧の薬って、一生飲むんですか?


院長ブログ11

血圧が高いといわれたけれど

「『血圧が高い』と健康診断などで言われたけど、どうも無いのでそのままにしている。」と言われる方が時々いらっしゃいます。血圧が高いことをそのままにしているわけです。そういった方には治療するかしないかを決めていただくために情報提供をすることにしています。頭ごなしに「薬を飲むように」と命令するわけではありません。

なぜ血圧の薬を飲んでほしいのか

血圧が高いことをそのままにしていると、血管が痛んできます。これを「動脈硬化」と呼びます。動脈硬化が進行すると血管が破れたり、詰まったりと様々なトラブルを起こします。このようなトラブルを「合併症」と呼びます。脳で血管が詰まると脳梗塞、心臓で血管が詰まると心筋梗塞になります。その他に腎臓が悪くなって透析が必要になったり、眼の網膜で出血して視力が落ちたりします。合併症は一旦起こると後遺症を残して一生不自由な体になったりします。ですからそうならないようにしていただくために血圧の薬をのんでいただきたいのです。

いつまで血圧の薬を飲むのか

血圧の薬は残念ながら「高血圧を治す」薬ではありません。「血圧を矯正して下げておくだけ」の薬です。効き目が切れたらまた血圧が上がることがほとんどです。「使っているその時だけ矯正する」という意味では眼鏡と似ています。眼鏡は掛けているときは見えますが、外すと見えなくなります。近視になった方に「いつまで眼鏡を掛けねければいけないのでしょうか?」と質問されたら、どう答えますか・・・?そう、普通は一生です。偶然血圧が上がらなくなったらやめることもできるのですが、なかなか難しいです。

どうして血圧が上がるのか

血圧が上がる最大の理由は「加齢」です。皮膚にシワがよるように、血管も固くなってしまうのです。年齢のために起こった高血圧はもとに戻すことはかなり難しいのです。塩分のとりすぎで血圧が上がっている人は塩分を控えることで血圧が下がることもあります。塩分はもともと日本人は摂りすぎやすいので、血圧が上がっている方は減塩も心がけましょう。

20180215 矢ヶ部伸也