佐賀市木原の矢ヶ部医院│医療法人純伸会

在宅医療について⑥~医療任せの療養への反省~


院長ブログ21

医療任せの療養への反省

1951年(昭和26年)には病院で亡くなる方は3%でした。医療の進歩や1970年代の老人医療費無料化などの政策により、高齢者が医療機関に入院することが増え、結果として人が医療機関で亡くなるということが増えていき、今では当たり前になっています。人生の最期が医療任せになっているとも言えます。

療養は医療機関が有利だと思われやすいですが、医療機関での生活というものが本当に幸せでしょうか。入院して治る病気なら限られた入院生活を過ごせばよいのですが、治癒の困難な場合や治療が長期にわたる慢性の病気であった場合はどうでしょうか。アメニティの充実などを謳う医療機関も増えてきてはいますが、「入院して良かった。またぜひ入院したい。」というほど環境の整った医療機関はまだ多くはありません。また、医療機関で家族を看取った方の中には、「最期は家に帰したかった。」「医療機関で最期を迎えたのは残念だった。」という方も少なからずいらっしゃいます。