佐賀市木原の矢ヶ部医院│医療法人純伸会

高血圧の危険性についての血圧とゴムのたとえ


こんにちは。矢ヶ部医院の矢ヶ部です。

血圧が高いと合併症になりやすいので病気を防ぐために血圧が高い方にはお薬をおすすめしていますが、血圧が高くても無症状の方が多くいらっしゃいます。

症状がないと、「わざわざ薬を飲むのは・・・」と、高血圧があっても治療をしない方も少なくありません。医師のなかにも高血圧は放っておいて良いと言う者もいる始末です。

血圧が高いことについて私が感じる危険性について、一般の方でもわかるようにどう説明したら良いだろうかと考えてみて思いついたのがゴムのたとえです。

輪ゴムを引っ張りすぎると切れます。でも、すぐには切れません。強い張力が長い時間かかると段々とゴムが傷んでいって、限界を越えると切れます。

血圧が高いときには、血管にダメージが加わります。これもすぐには壊れません。長い時間かかって血管にダメージが蓄積して限界を越えると詰まったり破けたりします。

その詰まりが脳で起こると脳梗塞、心臓でおこると心筋梗塞、動脈が破けると脳なら脳出血、胸部で破れると胸部大動脈瘤破裂、腹部で破れると腹部大動脈瘤破裂などの病気が起こります。

高血圧の結果このような病気が起こることを合併症といいます。この他にも眼底動脈出血による失明とか、腎臓の悪化による腎不全、心不全などの合併症もあります。

ゴムも引っ張っていると突然切れるように、血管も高血圧を放置すると突然合併症を起こします。

病気を起こしてしまうと最悪の場合には命を失ったり、命は助かっても麻痺などの後遺症を残してしまったりします。

 

「血圧の薬を飲むくらいなら、脳梗塞になったほうがマシ」ともし思う方がいらっしゃったら、その方は血圧の薬は飲まなくてもいいかもしれませんが、脳梗塞になっていい人などいません。

血圧の上が140、下が90を越しているかたは血圧の治療を検討しましょう。

 

20230421 矢ヶ部医院 矢ヶ部伸也